会員の皆様と語り合う場であるフー太郎の総会が、今年は例年通りの3月開催となりました。
第1部では、2011年事業報告、決算、監査報告、2012年事業報告、予算が承認されました。
2011年事業報告.pdf
2012年事業計画.pdf
決算報告書、予算書.pdf
第2部では、駐在員とスタッフからのメッセージが読み上げられました。
総会メッセージ2012年.pdf
総会開催に寄せて
本日は、交通の便の悪い中、フー太郎の森基金の総会のために遠路相馬市までお越し下さり、ありがとうございます。こうして皆さまに支えられてフー太郎は歴史を重ねてきたのだと、あらためて実感する次第です。2011年は日本にとって大変ハードな1年でした。震災からちょうど1年が経ちましたが、あの時にはまだ感じられなかった様々な思いが、皆さまの中にも去来しているかもしれません。
あの日を境に、フー太郎の森基金の事務局のある福島県相馬市は変わってしまいました。世界史に残るような地震・津波と福島第1原発事故により、相馬市は被災地の「本丸」になってしまったのです。事務局では、震災直後より、エチオピアで培ったスキルを用い、地元の被災者支援に大いに役立つ活動ができました。また継続中のJICA事業も、震災後も中断させることなく、70万本の植林という大きなハードルを無事越えることができました。会員の皆さまには物心両面からたくさんのご支援を賜り、心より御礼申し上げます。
それにしても、「福島」が何も終わっていないのに、原発を再開するような動きがあることに、どうしようもない怒りを感じます。電気が足りるとか足りないとかの問題ではなく、足らないならそのように暮らすべきだし、新たな省エネのための開発をすべき時なのです。この当事者意識のなさが、日本を国際的にリーダーシップのとれない国にしていることは否めません。毎日時々刻々、インターネット上を様々な情報が飛び交う時代になっているというのに、世界の声が届かないのはなぜでしょう。世界が日本の原発事故をどう考えているのかにあまりにも無関心であるし、東北を除けば、震災のニュースもかなり少なくなっていると聞きます。
さて、フー太郎の森基金は創設から13年を経て、今大きな転換点にあるのを感じます。震災後も2度現地入りし、プロジェクトの進捗状況を視察するだけでなく、今後、フー太郎の森基金がラリベラで行うべきプロジェクトについても真剣に検討して参りました。しかし、先の見えない被災地の問題、ラリベラの観光地としての発展などを目にして、プロジェクトのビジョンは描けても、どうしても大きな迷いから抜けられません。私たちが取り組むべきことは何なのか、もう一度立ち止まって見つめ直す時なのかもしれません。3年間の継続事業であるJICA草の根技術協力事業が、150万本の植林という大きな目的を果たし、今年10月に終了しようとしています。その後、フー太郎の目指すべき姿を会員の皆さんと話し合いたいと思います。
様々な困難はありますが、だからこそフー太郎の森基金は大きな志とビジョンを持って、これからの方向性を決めて参りますので、会員の皆様の忌憚のないご意見をお聞かせくださいますようお願い申し上げます。
特定非営利活動法人フー太郎の森基金 理事長・新妻香織