JICA東北、ベガルタ仙台、フー太郎の森基金の共同企画として、昨年夏より始まったベガルタ仙台のコーチをエチオピアに派遣する事業。来年1月6~14日に派遣時期が決定し、育成部の井上和徳コーチと福田直人コーチが派遣に手を上げてくれた。エチオピアでは4回の教室開催を予定しているが、標高が2500mを越えるような高地ゆえ、果たして走り回れるのか心配しながらも、Jリーグでの初めての試みとなるNGOとの海外での協力事業に意欲を見せている。
今回の派遣旅費(100万円)はフー太郎が負担することになり、半分はエチオピアコーヒーの販売と募金でまかなわれた。エチオピアで一番おいしいと評判の「トモカ」のコーヒー250gを1,500円、500gを2,500円で販売し、このうち1,000円、2,000円が旅費として積立てられた。また毎月1回ベガルタのホームユアテックスタジアムに出店し、コーヒーやグッズの販売をしながら募金を呼びかけた。残りの50万円は福島県にある住宅メーカー「株式会社ニーズ」が協賛金を集めてくださったおかげで、目標額を無事達成できた。
今回の企画にはサッカー教室以外にも様々な取り組みを盛込んでいる。例えばベガルタ杯のサッカートーナメント戦。到着時にラリベラでは決勝戦を行う。また日本とエチオピアの子どもたちが「4年後、きみたちがこうなっていたらいいなぁ」という願いを書いてタイムカプセルに埋め、次のワールドカップの時に開ける。それからスタジアムで売られたコーヒーの紙コップにはメッセージが書込まれ、ラリベラで苗木のポットにする。そのための種まきや植林もひとつのイベントだ。
JICA東北はマスコミ派遣の事業をこの企画にドッキングさせてくれた。仙台のTV局東日本放送がツアーに同行し、55分のドキュメンタリー番組を作ってくれる予定だ。
世界陸上で中・長距離の上位を総なめする心肺機能の高いエチオピア人だが、FIFAのランキングは131位と振るわない。今回アジスアベバのクラブチームも訪問する予定だが、将来ベガルタで活躍するエチオピア人選手が輩出する、かもしれない。