7月5日、木更津の小玉一枝理事が「よみがえれフー太郎の森」の出版記念講演会を開催してくれた。会場は上総アカデミアホール。フー太郎のキャンペーンやチャリティコンサートでもお馴染だが、国際会議場などが開催される静かな森に包まれた施設だ。
小玉さんはじめ上総の皆さんとはフー太郎の創設からずっと一緒だった。だから今さらフー太郎の話をする必要などなく、私は上総と私がつながるきっかけになった拙著「楽園に帰ろう」とそれ以後の私の思いを語った。
私はきっと不器用なのだろう。自分の体験や行為から、自分の中に向かうことでしか自分のことを語れない。フー太郎でボランティアを11年やって得たものは、私がアフリカに向かう前に感じていた「心の真ん中に空いた穴」をすっかり埋めてくれそうな「つながり」だった。
30代の私は「自分のコスモス」を見出すことで「心の穴」を埋めようとした(「一人教の教祖になれ」は「楽園」の大テーマ)。しかしボランティアはそんな問題を軽々と乗り越えて、どんな神話(宗教や信条)を抱いていても、お互いつながることができるダイナミズムを持っていた。違いを認めながらも、今差し迫った問題のために手を携える。私たちはただ響き合えばよかったのだ。
いつもと違う私の話に面食らう方もあったが、「今日は本当に来て良かった。フー太郎に対する思いが満たされた」と語ってくれた方もあった。
孤独感や無価値観にさいなまれる若者たちよ、何でもいいからボランティアに汗を流そう。あなたは必要とされているし、あなたのことを認めてくれる大勢の人に出会うから。そこにはあなたの居場所がきっとあるから。