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2009〜2012年「ラスタ郡農村開発事業〜住民参加による循環型農林業の試み」

2009年より始まる新事業
住民参加による循環型農林業のモデルづくり

JICAの「草の根技術協力事業(草の根パートナー型)」の支援を受け、2009年より始まる新事業「住民参加による循環型農林業の試み」。廃棄物から有用な農業資源を作り出し資源を循環させる「循環型農業」を軸にして、主に水源地にこれまでにない大規模な植林を行います。

そもそも、FFFでは「公共事業のように大々的に資金や人を投入する方法」とはいわば真逆のやり方で植林活動を行ってきました。

私たちがとった手段は教育でした。木を植える根本的な理由を人々が理解しなくては、せっかく植えた木もまた伐採されてしまいます。そこで村内の小学校に環境クラブをつくり、植林活動をとおして子供たちに木や森の大切さを教えてきました。環境に対する人々の意識を変えていくことが必要不可欠だったのです。

10年が経ち、FFFがこれまで植えた木は35万本。この間、人々の環境に対する意識もずいぶんと変わり、かつて誰も木を植えようとしなかった村に、いまでは緑化に取り組むグループがいくつも出来ています。小さな規模ではありますが、地道に続けてきた私たちの活動も、ようやく成果をあげてきたようです。

この新事業では、年間50万本もの木を植えます。従来行ってきた植林に、これまで続けてきた清掃事業や有機物を堆肥化するノウハウも大きく組み入れ、植林に有効活用する計画です。加えて住民が積極的に参加できるためのいくつかの施策も行いながら、新しい農林業のモデルづくりを目指します。
10年の活動の集大成ともいえる「住民参加による循環型農林業」、FFFにとっては新たな挑戦ですが、これまで積み上げた実績やノウハウを総導引して取り組みます。

有機ゴミを堆肥化し、農業や植林に

ゴミ処理施設のない村でゴミの有効活用

当事業では、人々の生活から出る有機ゴミを堆肥化し、山岳地帯の風化の激しい土地に戻すことによって、廃棄物を農業と緑化に有効的に再利用します。

上質の堆肥をつくるには、ゴミの分別は不可欠な条件となります。

FFFはこれまでもラリベラのゴミ処理問題に積極的に関わり、清掃夫の雇用、ゴミ穴の設置、住民へのゴミの分別(金属・有機ゴミ・ナイロンに3分化)の指導など、さまざまなサニテーションプログラムを行ってきました。(詳しくはこちら

しかし今現在、ゴミの分別の普及には地域によってばらつきがあり、いまだ十分とはいえない状況です。NGOに対する依存度が強く、自分たちの問題だという意識が育っていないことが要因のひとつと考えられます。この問題を改善するため、当事業では村にゴミ処理グループを組織、ゴミ分別の指導の徹底し、また上質の堆肥のみ買い取るなど住民たちのモチベーションを高める工夫も行っていきます。

水源地帯に年間50万本を植樹。水源涵養林を拡大

99年よりFFFは18種35万本の木を植林し(活着率68%)、近年はその植林地を水源地になっている山岳地帯に移行してきました。

当事業ではボレ地区(標高2000m)に小規模な灌漑を整備した苗畑を確保し、エチオピア在来種を中心に年間50万本の苗木を生産。そのほかにもFFFがこれまでに造成した溜池の周辺のアグロフォレストリー農園や植林地にも、有機ゴミから作られた堆肥を使用する計画。従来の年間植林数の10倍以上という大規模なプロジェクトです。

ふるさとの木による、ふるさとの森を

貴重な天然林「マナゲシャの森」

水源地帯に植える木は、エチオピアの在来種を中心に選びます。エチオピア本来の森になるべく近いものを再生するためです。

FFFが目指す「ふるさとの森」は、エチオピアの高原地帯で唯一残された天然林「マナゲシャの森」(標高2400m、アディス・アベバの南西45km)をイメージしています。ここでは、マキ、ネズ、オリーブ、カバ、クロトン、コルディアなど8種のエチオピア在来種の種を採取しており、フォレスター(森林学の専門家)のタデッセ・メコンネン氏がFFFの植林指導をしてくれることに。また、国際生態学センター会長・宮脇昭博士からの助言もいただき、ふるさとの森づくりをすすめていきます。

住民参加の意識を高めるいくつかの施策

マイクロクレジットとグリーンキャンペーン

これから植林地が拡大するにつれて、管理も難しくなってきます。そこで考え出されたのが、オーナーシップ意識(植えた木を「自分たちの木」として愛着を持ってもらうこと)を持たせた植林の方法です。

そのひとつが「マイクロクレジット」。これは小規模融資のことで、木を切り、それを売ることでしか生活できない人々を対象に、転職のための資金として2万円を融資するというもの。FFFが提供する苗木を2000本植えれば金利をゼロに、さらにその木が7割以上根付けば、融資額の返済義務を無効にします。

もうひとつ「グリーンキャンペーン」は子供や、主婦などを対象にしています。その苗木を“自分の背丈"までに育てると、1本に付き1ブル(15円)の報償額を払います。(詳しくはこちら

以上ふたつの事例が成功すれば、将来的に有効な緑化の手段として積極的に導入をしていく予定です。

また、こうした植林によって生まれた緑地を継続的に保全していくことも大切なこと。プロジェクトの参加者は、自分が育てた木については、枝は薪などに自由に利用できますが、伐採しなければならない場合は、「1本切ったら2本植える」ことを習慣として定着させたいと考えています。せっかくの緑地がもとの枯れ地に戻らぬよう、これまで同様森林の重要性を理解してもらうための啓蒙活動も引き続き行っていきます。

新たな育林システム

牧草地の有効利用を提言

ラリベラ周辺では放牧が子供の仕事になっており、山あらゆる場所に山羊や牛などの家畜が放牧されています。これらの山は計画的に利用されておらず、草や木の成長よりもはやく、家畜が食い荒らしてしまうため、緑のない土を剥き出しにした裸山が次々に増えているのが現状です。

そこでFFFでは、山(放牧地)を3分割して、放牧するエリアを1年ずつのサイクルで回していく方法を提案していきます。この方法によって、草木の成長は守られ、牧草地は緑を自然に回復させることが可能になります。またエリア縮小による餌不足を解消するため、地域に適した牧草の導入も検討しています。

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