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映画「フラワーショウ」とフー太郎の森基金

映画「フラワーショー」~新妻代表の盟友、アイルランドの庭師クリスティーと世界的ガーデンデザイナーとなった同じくアイルランド女性メアリー・レイノルズの物語がついに日本で映画公開決定!

皆様、ご無沙汰いたしております。7代目駐在員の藤村です。私がラリベラ駐在中に現地でロケを行なっていた映画「フラワーショー(原題Dare To Be Wild)」がついにこの7月2日(土)から全国でロードショーの運びとなりました。この時の模様については既に私の駐在員ブログでもレポートさせて頂きましたが(2013年6月分)、実は6月3日に一足早く試写会に参加して来ましたので、実際の映画の内容も含め改めて皆様にご紹介させて頂きます。またこの6月発行の会報にも同様の記事を掲載させて頂きましたが、本ホームページではもう少し詳しい内容についても触れたいと存じます。

ラリベラの中央公園を作った二人のアイルランドの若者の物語

さて、フー太郎の森基金を長らくご支援下さっている皆様はご存知かと思いますが、フー太郎の森基金では現地事務所設立の草創期のプロジェクトとして中央ラリベラ公園建設に取り組んでいます。この事業に多大な貢献をしてくれたのが、アイルランド人の庭師クリスティーと公園のデザインをしてくれた当時の彼のガールフレンド、メアリーです。この2人の実話をベースに映画化されたのが本作品です。大まかなストーリーは以下の通りですが、若干ネタバレにもなりますので皆様ご注意下さい。

アイルランドの田舎娘メアリーの挑戦と成功

まずアイルランドの田舎娘のメアリー・レイノルズがガーデンデザイナーになることを夢見てアイルランドの首都ダブリンに上京。ガーデン・デザインのアシスタントの仕事を得るものの雇い主に数多くのデザイン案をしたためたスケッチブックを盗まれ、あげくの果てにはクビにされてしまいます。そこで自分の才能を証明し、かつ「ガーデン・デザインはもっと自然や命との一体感を追求すべき」との信念を広くアピールしたいと考えたメアリーは何と無謀にもガーデニング界のオリンピックと言われる英国王立園芸協会(総裁:エリザベス女王)主催のチェルシー・フラワー・ショーのガーデン・デザイン・コンテストにエントリーすることを決意します。このイベントはロンドン・チェルシーで毎年開催され、100年以上の歴史を誇る世界で最も権威のあるガーデニング&フラワーショー。世界の園芸トレンドを左右するとも言われていて、毎年15~20万人以上の観客が訪れます。そんな一大イベントへのチャレンジを決意したメアリーは、まず競争率250倍の図面によるデザイン審査を見事突破。加えて出場に必要な建設費用25万ポンド(現在の為替レートで4千万円弱)を、メアリーの訴えをラジオで聞いていた見ず知らずの篤志家に出して貰えることになるというまさに「引き寄せの法則」を地で行くような展開に。そしてさらなるアクシデント、いやがらせにも見舞われながらも、コンテストでのガーデン建設を見事成し遂げ、最終的に金賞獲得の栄誉に輝くというもの。

ラリベラの光景が散りばめられてます

ラリベラでのシーンは全体の約3割といったところですが、設定はアフリカで植林事業に取り組む日本人女性Kaoriの支援でエチオピアでの植林事業に取り組むクリスティーのもとをメアリーが訪ねて来るというもの。当初クリスティーは「ガーデン・デザインでは地球の緑は守れない」とメアリーの取り組みに冷ややかな態度を示します。それでも結局は協力することになるわけですが、そこに至る道筋(恋の行方?)については、映画でお楽しみ頂ければと思います。

おそらくスタディーツアーなどでラリベラを訪れたことがある方でしたら、映画のシーンの中に見知っている場所が何度も登場することでしょう。特にフー太郎の苗畑(シマノ農園)は農機具の倉庫を改装してクリスティーのラリベラでの住まいとしたので、最も登場シーンの多い場所となっています。また、メアリーが作業を手伝ってくれる人間も資金も何も無いという八方塞がりの状況にありながら、雲が流れるラリベラの空に向かって「いかなる困難にも果敢に挑もうという覚悟を固めるシーン」が盛り込まれていて、映画全体にとって大変強いアクセントを与えるパートとなっていました。

ケルト文化(メリー)vs縄文文化(新妻香織)?!

さて、メアリーのガーデン・デザインが大変高く評価された一つの理由は自然とのつながりを大切にする彼女の心であり、かつそれをデザインで表現することができた点にありました。彼女のコンテスト作品のお題は「ケルトの聖域」というものでしたが、あえて華やかな花を使わず、5百種類の野草とサンザシの木だけという大胆なアプローチでガーデニング界に新風を巻き起こしました。アイルランドには昔からケルト文化に裏打ちされた自然崇拝的要素が多分にあったわけですが、その点が同じく縄文時代以来の自然崇拝的メンタリティーを持つ我々日本人に通じるところがあると思いました。おそらく彼女の庭は「侘びさび」を理解する日本人の琴線に触れることでしょう。新妻代表は映画の中にはさすがに登場しませんでしたが、その役回りは非常に重たいもので「砂漠の緑化に尽力する日本人=新妻香織」vs「ガーデン・デザインで人々の自然への憧憬を搔き立てる役目のメアリー」という対比関係が描かれています。作品はアイルランドのケルト文化と日本の縄文文化がエチオピアを舞台に縦糸と横糸のように絡み合う作品とも感じられました。

ぜひ映画館にお運びください

映画の上映館は残念ながらフー太郎の森基金の御膝元の東北地方では、現在のところ予定がされておりませんが、もし札幌、東京、関西、名古屋、福岡方面に足を御運びになられる機会がございましたら是非ともご鑑賞下さる様、お願い致します(余談ながら、映画のエンディングのテロップに新妻代表の名前はもちろん、私やフー太郎の現地スタッフ、アマンホテルオーナーのチャル君の名前などが出ておりますので、探してみてくださいね)。また映画公開後半年くらいをめどにDVD化の予定もあるようですので、そちらも是非注視して頂ければ幸いです。

文責:7代目駐在員 藤村 健司

映画上映のご案内

北海道 シアターキノ 7月23日(土)
映画チラシ
関東 ヒューマントラストシネマ有楽町 7月2日(土)
YEBISU GARDEN CINEMA 7月2日(土)
新宿バルト9 7月2日(土) ~7月8日(金)
横浜ブルク13 7月2日(土)
川崎チネチッタ 7月2日(土)
千葉劇場 7月9日(土)
愛知 伏見ミリオン座 7月16日(土)
近畿 シネ・リーブル梅田 7月2日(土)
京都シネマ 7月2日(土)
シネ・リーブル神戸 7月23日(土)
九州 KBCシネマ 7月2日(土)

詳細は以下URLご参照下さい。http://flowershow.jp/info/

  1. ①映画の主人公になったメアリー・レイノルズさん
  2. ②クリスティとメアリーが造ったラリベラ中央公園
  3. ③中央公園でのクリスティ
  4. ④クリスティ(右)とラリベラの郡長アマラ
  5. ⑤ラリベラマウンテンビューホテル敷地内でのダンスシーンのリハ風景
  6. ⑥クリスティを追っかけてラリベラまで来たメアリーが、彼の家に向かうシーン
  7. ⑦映画フラワーショウのチラシ(表)
  8. ⑧映画フラワーショウのチラシ(裏)
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