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その他の水資源開発
フー太郎の森基金(FFF)では、溜池造成のほかにもラリベラの水資源を守るいくつかのプロジェクトに取り組んでいます。
水タンク造成事業
外務省の補助をうけ平成11年10月に実施したのがこの「水タンク造成事業」です。学校における慢性的な水不足を解決するため、ラリベラ小学校、ゲテルゲ小学校、ラリベラ高校の3校それぞれに、容量15,000リットルの金属製タンクを設置。これまで3日に1度しか水の供給のなかったラリベラ。水タンクの設置で各校では自由に水が使えるようになり、給食用の水も確保できるようになりました。
カンカニ水源涵養林造成と新たな水源探査
ラリベラの北部14km標高3200メートルの山岳地域にあるカンカニ。20年ほど前に住民らの手によって、この地域の泉から集められた水をラリベラ(標高差600メートル)まで落とすパイプの設営工事が行われました。この水が現在ラリベラに住む人々にとって唯一の水源となっています。しかし泉の水は乏しく、3日に1度、数時間の供給が精一杯。
そこで私たちは、伐採で丸裸になってしまった水源カンカニの周辺の山々に水源涵養林をつくることによって、泉の水量を増やせないかと考えました。目指すは「1000年続く、ふるさとの木によるふるさとの森」をカンカニに復活させること。そのため植える木もエチオピアに本来ある在来種の木としました。
このようにしてカンカニ水源涵養林造成への最初のプロジェクトが始まったのが2006年。それから2008年までの3年間で私たちは2万本を植樹しました。活着率は、高山にも関わらずラリベラより高く、8割近くが根付いています(やはり水が1番重要!)。
2009年からはJICAの草の根技術協力事業(草の根パートナー型)の支援を受けた「住民参加による循環型農林業の試み」事業がスタート。ラリベラの水源地に今後3年間かけ計150万本もの木を植える、これまでにない大規模な事業が予定されています。この新事業によってラリベラの水源涵養林も大幅に拡大することでしょう。地域住民からも大きな期待が寄せられています。
FFFでは2006年にラリベラ周辺の水源探査の現地調査に、日本人専門家を交えたプロジェクトチームを派遣しました。調査地で撮影した当時の貴重な映像がご覧になれます。心和む"おまけ"映像もどうぞ。
ラリベラの水に関する広報活動
世界遺産で知られるラリベラは、海外から年間5万人もの観光客が訪れます。
当地を訪れる観光客にむけ、私たちはラリベラの水資源の深刻な現状を伝え、節水の協力を呼びかけるリーフレットを作成しました。このリーフレットは英文に翻訳され、ラリベラ内のホテルや簡易宿泊施設のロビー・客室に設置する予定です。
〜リーフレット本文〜
「節水にご協力ください」
ラリベラの水は大変きれいです。それは標高3000メートルのカンカニに湧き出る泉の水を、住民が敷いたパイプで落としているからです。
しかし水の量は大変少なく、ラリベラでは通常3日に1度数時間しか水は供給されません。しかも雨季(3−4月、6−8月)の直前になると、水は1週間に1度しかやってこないこともあります。しかし皮肉なことに、その大切な水の多くを旅行者が使ってしまっているのも事実なのです。そこで、節水のために、次のような提案をさせてください。
- 水洗トイレの水は1度で流してしまわない。何度か貯めてから流す。
- シャワーは流しっ放しにしない。
- バスタブに溜めた水は、トイレや洗濯に使う。
- 洗濯の水はトイレに流す。
- シャワーを浴びるときに、洗濯物で体を洗う。(裏技!)
- その他、水を1度で流してしまわないよう工夫する。
ご協力よろしくお願いいたします。