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知っていますか?森の役割

土壌の流出を防止します。

森にはたくさんの樹木が密集しています。地表は木から落ちた葉や、さまざまな下草に覆われ、地中には網の目のように木の根が張りめぐらされます。その根が土をしっかりと掴み土砂の流出を防ぐのです。森がなくなり地表が露出した土地では、雨や風によって表土がどんどん削られ、飛散してしまいます。森林が激減したエチオピアでは現在、年間10億トンもの土壌が流出しているといわれています。

土壌の流出がもたらす貧困と砂漠化

土壌の流出は、その地で暮らす人々に多大な影響をもたらしています。土壌の流出により農地は痩せ、生産性が低下します。作物が育たないと、人々は飢え、生きていくことができません。そこで人々はさらに森を切りひらいて畑を作り、生活の糧を得るため薪炭材を過剰に伐採。結果ますます森林は減少してしまう・・・。このような負の連鎖が、今エチオピアでは繰り返されているのです。森林の減少は人々の貧困の原因に直結し、砂漠化の拡大という深刻な事態を招いているのです。

森は自然がつくるダム。

樹木が生い茂ると、森の土壌は木の根や堆積した腐葉土によって、まるでスポンジのようにたくさんの雨水を吸水・保水することができます。土壌に蓄えられた雨水は植物に吸収されたり、地表から蒸発しながら、その残余分がゆっくりと時間をかけて川へ流出します。いわば森は自然がつくったダム。森のこうしたはたらきにより、川は常に安定した水量を保つことができるのです。一方、木が無い土壌は雨水を溜め込むことができないため、鉄砲水や洪水などの災害が頻発。エチオピアでは、雨季に川幅が6〜7メートルにもなる川が、乾季にはすっかり干上がってしまうという光景をよく目にしますが、こうした極端な水量の差も、森林伐採が起因しています。

森と川によって大地がよみがえります。

森の水源涵養作用により川の水量が安定すると、流域周辺の大地も潤い始めます。草花が生え、生き物たちも戻ってきます。微生物や小動物が枯葉などの有機物を分解し、養分を蓄えた土壌をつくります。地力がよみがえれば、人々は作物を育て、収穫し、食物を作ることができるのです。森をつくり、川が潤い、大地に豊かな生態系が蘇ることによって、私たち人間も命をつなげていくことができるのです。

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