議論をしている時ではない

  昨年支部になって下さった長野県の方から電話がありました。参加した某氏の環境関連の講演会で、「フー太郎の森基金は木を植えても地元の人たちが炭にして売っています」と、名指しで中傷めいた話をなさっていて心配になったと。講演の流れなどが分からないので、言葉尻を捕らえて反応はしたくないので、事実をお知らせしたいと思います。
 まず、フー太郎が2000年から植林してきた木は、水源地のカンカニを除いて、伐採禁止区域(世界遺産の半径5㎞以内)にありますので、炭にされる心配はありません。さらに家畜の侵入の心配があるので、森林保護管を11名雇って430haの管理をしています。しかしそれでも伐採されることがあります。それは道路拡張などの開発によるものが主です。
 それから伐採禁止区域から外れるカンカニは、現在、最も力を注いでいる植林地で、一昨年から植林が始まっています。私たちはここに水源涵養林の造成を進めていますが、3200mの高地の上、植えてからまだ日も浅いので、残念ながら、炭になるような木は生産できていません。
 ラリベラの人々は燃料を炭や薪に頼って生きている人たちです。化石燃料を使い放題使っている私たちが木を切るのとは、まったくその意味も違ってきます。私たちの緑化事業の一番の「敵」は「伐採」ではなく、「貧困」なのです。だからそのためにも環境教育による意識改革と実践による技術移転が大切なのです。この10年ラリベラの子供たちとそれを続けてきて、少しずつ成果が出てきていると感じています。私たちの活動はホームページだけではなく、いろいろお伝えする機会もありますので、是非そちらで詳細をご覧ください。
  それよりも私がお伝えしたいのは、環境問題の手法や方法論を議論する時代は終わったということです。議論していても何も変わりません。私たちは一刻も早く、一人でも多くの人が砂漠化防止、温暖化防止、安全な水や食糧の確保と公平な分配などのために「実践」しなければ、子供たちの世代にこの地球を手渡していくことはできないでしょう。
  たぶん私たちがとった対策の検証結果が出るのは数10年先のことでしょう。今、こっちの方がいいだとか、それは間違いだとかいっている猶予はもうないのです。みんなが正しいと思ったことを今すぐやり始めなければ、取り返しのつかないことになる。地球はもう後戻りできない状況になってしまうでしょう。
  環境問題に特効薬や万能薬などないでしょう。「何とかしよう」という多くの人の意識と実践が地球を救うのだと私は信じています。ノーベル平和賞を受賞したゴアさんの「不都合な真実」をご覧になった方ならきっと共感してくださるでしょう。諦めず、絶望せず、みんなで手を携えてやっていきましょう。

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